
以前にこのような記事を書きました。
ほとんどの人は週5日8時間働いても体力的に大きな問題を感じません。
それどころか、徹夜で仕事をしたり、就業後に飲みに行くほどの余力すらあります。
ところが、いつも疲れていてやっとの思いで働いているという人も中にはいるのです。
元気な人から見ると気が緩んでいるとか、根性が足りないとか思うかもしれませんが、その疲労感は本人にしか分かりません。
日によって症状の強弱はあるものの、周りが平気なのに自分だけ疲れていることに引け目を感じ、結果的に我慢してしまっている人も多いと思います。
ここでは少しでも症状を軽減できるよう対策を考えていきたいと思います。
睡眠
眠りが浅いなど何かしら睡眠にトラブルを抱えていて熟睡できていない場合があります。疲れがとれるどころか寝起きの方が疲れていると感じたら睡眠の質を疑ってみた方がいいかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群
代表的なのは睡眠時無呼吸症候群です。痩せている人でも発症することがあるので太っていないからといって安心できません。
まずはいびきを録音するアプリを使って自分がいびきをかいているか確認してみてください。
ある程度いびきをかいているようでしたら専門医に相談した方が確実です。
トリプトファン
トリプトファンが不足すると、セロトニンやメラトニンが合成されなくなってしまい、睡眠が浅くなってしまったり、精神的に不安定になります。
普段の食事から充分に摂取できると考えられていますが、うまく合成できていない可能性もあるのでサプリメントを試してみるといいかもしれません。
その場合はなるべく添加物の少ないものを選び、少量から飲むようにしてください。飲む量が多かったり、飲む時間が遅いと翌日まで眠気が残ってしまうことがあります。
自律神経の乱れ
長年のストレスによって自律神経が乱れてしまい、副交感神経優位な状態が続くと、いつも眠くてダルいといった症状があらわれます。
反対に交感神経が優位な人は一見元気そうですが、心拍数の増加や血圧の上昇に伴う病気のリスクが高まります。
真面目で責任感の強い人ほどストレスによって自律神経が乱れてしまうと言われています。
規則正しい生活
自律神経の乱れは病院で出された薬を飲んだからといって簡単に治るようなものではありません。
一般的には寝る時間や食事の時間はいつも同じようにして、朝は太陽を浴び、寝る90分前にきちんとお風呂に入るといった規則正しい生活が求められます。
ところが仕事をしているとそのような規則正しい生活は難しく、体質によっては必ずしもそのような生活が合っているとも限りません。
一番の大きな原因はストレスと考えられるので職場のポジションや場合によっては転職も考慮してストレスを軽減することを検討しましょう。
爪もみ療法、整体、鍼灸院、漢方薬
自律神経の乱れを改善するのは西洋医学より東洋医学の方が得意と言われています。
1回で劇的に効果が感じられるものではありませんが、続けているうちに徐々に調子がよくなり、しばらくすると以前に比べてだいぶ改善していることに気が付きます。
自分に合った処方を見つけるまでが難しく、保険が効かないことが多いので費用もかかるといったデメリットがあります。
すぐには効果が感じられないことも多いため、いつまで続けるかといった判断は悩ましいところですが、通院の手間や費用を無駄にしないためにもタイミングを見誤らないようにしたいところです。
ストレッチ
眠かったりダルい時にガッツポーズや万歳をすると脳が元気だと錯覚して交感神経が優位になる効果があるそうです。
また、舌を思いっきり前に出すことで脳に近い部分が刺激され、覚醒作用を感じることができます。
こういった行為を自席でやると注目を浴びてしまうので、トイレの個室に入ったついでに舌を思いっきり前に出しながらガッツポーズと万歳を交互におこなうと元気が出てくるように感じられます。
たかがストレッチと言っても意外に効果があるものです。ずっと席に座っていると血流が悪くなるのでたまには体を動かすようにしましょう。
眼精疲労
眼精疲労と聞くと目の疲れだけで、全身の疲労感や倦怠感とは関係ないと思う人が多いかもしれません。
ところが眼精疲労を放置していると、脳の疲労となってさまざまな不調を引き起こしてしまうことがあります。
仕事でパソコンを使っていたり、長時間スマートフォンなどの携帯デバイスを使っている人は特に注意が必要です。
腸内環境の乱れ
リーキーガット症候群やセリアック病といった腸内から未消化の物質が取り込まれて血流に入ってしまい、さまざまな不調を引き起こすといった病気があります。
疲労感や倦怠感を感じることも多く、下痢やアレルギーなどを併発するのでお腹が弱くアレルギー体質の人はこれらの疾患である可能性が高いと考えられます。
どちらも乳酸菌やオリゴ糖などで腸内環境を整え、水溶性食物繊維を多く摂ることが効果的です。
小麦粉に含まれているグルテンにより悪化するので小麦粉を控えることが肝心となります。より本格的に対策するのであれば、炭水化物や白砂糖、その他合成物質や刺激物を一切口にしないといった取り組みが必要です。
詳しくは下記書籍をご覧ください。
リーキーガット症候群: あなたのその不調の原因は腸の漏れにあった!
※この2冊はKindle Unlimitedに入っていれば無料で読めます
注意が必要なのはストレスなどの原因によって普段からセロトニン不足となっている人が、炭水化物を完全に抜いてしまうような極端な糖質制限をしてしまうと精神的に不安定になったり、何をするのも面倒でやる気が起きないといった無気力状態になってしまう可能性があることです。
セロトニンの分泌にはトリプトファンを多く含む肉類やチーズなどの乳製品だけでなく、炭水化物などの糖が必要となるからです。
いずれにしても食事制限をする際には体調だけでなく、精神状態の変化にも気をつけて少しでも異常を感じたら無理をしないようにしましょう。
サプリメントやカフェイン
ストレスやリーキーガット症候群によって食事から栄養が充分に摂取できずに栄養不足に陥ってしまうことがあります。
そのためマルチビタミンやマルチミネラル
を飲むことで疲労回復効果が感じられる人もいます。亜鉛を単体で摂ったり、ビール酵母
などが合う人も多いようです。
また、コエンザイムQ10は慢性疲労症候群にも改善効果あると言われています。
いろいろ試して自分に合ったものを見つけましょう。
手っ取り早く覚醒効果を得るにはカフェインが効果的です。コーヒーやエナジードリンクを上手に取り入れることで眠気を取り除くことができます。
コーヒーが苦手な人はドラッグストアなどでカフェインの錠剤を購入しておきましょう。
ただし、前述のリーキーガット症候群ではカフェインが刺激物となってしまうこともあるので注意してください。
まとめ
日中の倦怠感や疲労感が強い人は何かしらの疾患によって引き起こされている可能性もあります。
辛いのは自分だけだから我慢すれば何とかなるなどとは考えずにまずは病院で検査を受けることをおすすめします。
異常がなかった場合は上記のような自律神経の乱れや睡眠時無呼吸症候群、リーキーガット症候群といった通常の検査では明確にならない疾患の可能もあります。
治療方法が確立されていない病気の場合は、なるべくストレスを軽減したり、サプリメントを活用するなどの対策をとりましょう。
この症状の辛いところは職場や家族など周りの人たちに伝わらないため、なかなか理解してもらえないことです。
時には強気になって周りに訴えることが必要なのかもしれません。