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国民年金前納割引制度って本当に得なの?前納割引額を一般的な分割払いの金利と比較

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国民年金前納割引制度

フリーランスは基本的に国民年金に加入することになります。そんな時に気になるのが毎月保険料を納めた方がいいのか、一括で払うべきかという問題。

今までは毎月払いでもnanacoを使って払えば、多少はポイントで回収することができました。ところが、現在では0.5%しかチャージ時のポイントがつきません。

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この還元率では令和元年度の国民年金保険料16,410円をチャージしたとしても82円にしかなりません。

実際には住民税や国民健康保険も一緒に払うので何百円かにはなるものの、ちょっと寂しい気がします。

そこで国民年金前納割引制度を利用した場合と比べてみてどうなのか調べてみました。

国民年金前納割引制度

日本年金機構のサイトに掲載されている令和元年度の保険料国民年金前納割引制度の詳細は下記のようになります。

国民年金前納割引制度

6カ月分を現金払いで前納すると800円(口座振替:1,120円)の割引
(6カ月分の保険料額98,460円が97,660円へ)
1年度分を現金払いで前納すると3,500円(口座振替:4,130円)の割引
(1年度分の保険料額196,920円が193,420円へ)
2年度分(平成31年4月分から令和3年3月分)を現金払いで前納すると、14,520円(口座振替:15,760円)の割引
(2年度分の保険料額395,400円が380,880円へ)
※口座振替は1カ月分でも50円の割引(早割)があります

口座振替の方が多少割引額が大きくなりますが、口座振替にしてしまうとポイントを付与する余地がなくなってしまうだけでなく、その差額はnanacoにチャージした時の0.5%すら上回ることができません。

口座振替は国民年金保険料を安定して回収したいという日本年金機構の思う壺になってしまうだけなので、ここでは基本的に現金を前提とします。

毎月nanacoにチャージして払ったとしても
半年:82円×6ヵ月=492円(前納割引:800円
1年:82円×12ヵ月=984円(前納割引:3,500円
2年:82円×24ヵ月=1,968円(前納割引:14,520円
しかポイントで還元できないので、その差は歴然です。

ついでに毎月払込票を持って金融機関にやコンビニに行く手間を減らすこともできます。

国民年金前納割引制度は本当に得なのか?

これだけ見ると、国民年金前納割引制度を利用した方が一見お得に感じます。

もし、1年分の保険料196,920円を一括で払うことが義務付けられていて毎月払いにするために銀行などからお金を借りてローンを組んだと仮定すると、当然金利がかかってきます。

金利にはいろいろな種類があるので下記の3パターンを想定してみます。

ローン種類 年利 金利
カードローン 14% 27,569円
マイカーローン、教育ローン 4% 7,877円
住宅ローン 2.5% 4,923円

1年分をまとめて払っても令和元年度の保険料国民年金前納割引制度(現金)は3,500円しか割り引きがありません。対して1年分の保険料196,920円を分割払いにした際の金利は住宅ローン並みの低金利だとしても4,923円、カードローンになると27,569円もかかってくるので12回に分けて払った方が得だという考え方もあります。

まとめて大きなお金が出ていかないというのは実は大きなメリットとなります。高額なものを買う時に一括で払えたとしても一時的に手持ちの現金が減ってしまうリスクを避けるために金利を払ってわざわざローンを組む人も多いのが現実です。

保険料国民年金前納割引制度を利用しなければ毎月分割で保険料を払うことができるので、逆に言えば一括で支払わなくていいよう最初から金利なしで分割されていることになります。

そう考えると、国民年金前納割引制度を利用することが必ずしも得ではないことが分かります。つい割引額だけに目を奪われてしまいそうになりますが、本来一括で支払わなければいけないものを分割払いにするためには必ず金利がかかってくることを忘れてはいけません。

では、2年分に置き換えてみるとどうなのでしょうか。金利は借入期間によって異なってくるものの、数年では変わらないことが多いので同じ金利で計算してみます。

ローン種類 年利 金利
カードローン 14% 55,138円
マイカーローン、教育ローン 4% 15,754円
住宅ローン 2.5% 9,846円

2年分の保険料額395,400円で保険料国民年金前納割引制度(現金)では14,520円の割り引きがあります。こちらはマイカーローンの金利よりやや低いくらいの割り引き額なので1年分よりは比較になりそうです。

クレジットカード払い

国民年金保険料はクレジットカードで納付するという方法もあります。

この場合も国民年金前納割引制度が使えるため、クレジットカードのポイントと合わせることでさらに節約できます。

では、クレジットカードで支払うと、どのくらいのポイントがつくのでしょうか?

仮に楽天カードを使った場合はポイント還元率は1%となるため、2年分まとめて支払ったとすると、3,954円。保険料国民年金前納割引制度2年分14,520円と足すと、18,474円となり、マイカーローンの金利を上回ることができます。

注意が必要なのは一回で40万近い額が引き落とされるため、その月の他のカード利用額と合計して限度額を超えないようにすることです。

2年分まとめて支払った場合の控除額

気になるのが2年分まとめて払った場合に確定申告時の控除額はどのような扱いになるかということです。

払った年に2年分の申告になって翌年が0円となってしまってはちょっと困る人もいると思います。

日本年金機構のサイトには下記のような記載があります。

2年前納した保険料の社会保険料控除については、
(1)全額を納めた年に控除する方法
(2)各年分の保険料に相当する額を各年に控除する方法
のいずれか一方を選択して申告いただくことになります。
2年前納した保険料を各年に分割して申告する場合で、24カ月すべて前納した場合は、3年にわたって分割することになります。

2年前納した保険料の社会保険料控除はどのような方法で行うのか。|日本年金機構

どちらか自由に選べるということであれば、月払いや年払いより柔軟な対応が可能です。

途中で厚生年金に加入してしまったら?

フリーランスで常駐していると、好条件で社員化を要望されることもあり得ます。

会社に縛られたくないと思っていても中には好印象な会社もありますし、将来を考えると徐々に安定を求める思考に変わってくる可能性もあります。

国民年金前納割引制度を利用してまとめて年金を払っていると、厚生年金に切り替えた際に前納した分が無駄になってしまうと困ります。

そんな時は還付手続きをすることで厚生年金と重複した分の国民年金保険料を返金してもらうことができます。

厚生年金に加入すると、年金事務所から「国民年金保険料還付請求書」が送られてくるので、必要事項を記入して送りましょう。

まとめ

一見お得なような国民年金前納割引制度ですが、分割払いの金利からすると必ずしも得ではないことが分かりました。

中途半端に半年や1年分をまとめて払っても住宅ローン並みの金利すら上回ることができないほど割引額が少ないことになります。

唯一2年分をクレジットカード払いにした場合だけはマイカーローンの金利を上回る割り引き額となりますのでここが狙い目かもしれません。

2年分の保険料国民年金前納割引制度(口座振替):15,760円

2年分の保険料国民年金前納割引制度(現金):14,520円
2年分のクレジットカードポイント還元(1%):3,954円
2年分をクレジットカードで払った場合の合計割引額:18,474円

結論としては2年分をクレジットカード払いにするか、それが難しいようなら1年分や半年分の前払いは利用せずにクレジットカードで毎月払いにした方が、金利を考慮するとメリットが大きいことになります。

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