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小規模企業共済、iDeCoのベストな掛金が判明!実家暮らしのフリーランスが控除額を増やすためも利用したい制度

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小規模企業共済、iDeCo

個人事業主は家賃、光熱費を按分して経費にしている人も多いと思います。毎月数万円と結構な額になるので経費の中でも大きな割合を占めています。

ところが、実家に住んでいると、例え毎月親に数万円払っていても家賃、光熱費を経費にすることができません。

この場合、支払っているのはほとんど家賃みたいなものなので仕事で使った部分は経費として認めてくれてもよさそうなものですが、「生計を一にする親族間の支払いは経費とはみなされません」という条件があるため、残念ながら経費にするのはかなり難しいのが現状です。

かと言って仕事で使った領収証をとっておいてもそんなに高額になるものでもないし、このままでは節税できずに住民税や国民健康保険料も高くなって税金の負担はかなり大きくなってしまいます。

そこで、経費を増やす方法として考えられるのは掛金が全額所得控除になる「小規模企業共済」「iDeCo」といった制度。将来に備えつつ、控除額を増やすことができます。

ちょっと長いので手っ取り早く結論を知りたいという方はまとめをご覧ください。

小規模企業共済

小規模企業共済

掛金:月1000円~7万円※全額控除

概要

小規模企業共済制度を運営している中小機構は国の機関なので公的な節税方法とも言えます。

小規模企業共済によって集められた資産は中小機構が運用しているため、より多くの運用資金を集めたいという狙いもあります。

掛金

掛金の全額が控除対象となり、月々の掛金は1000円~7万円まで500円単位で自由に設定できます。増額・減額は加入後もできるため、収入に応じて調整することも可能です。

限度額の7万円を掛ければ年間84万円にもなり、青色申告特別控除65万円を上回る額となります。合わせると149万円とかなりの控除額です。

よほど高収入の個人事業主でないと、最高額はなかなか難しいと思いますが、実家住みの個人事業主は家賃並みの節税効果が得られます。

受け取り

共済金は事業を廃業するか、65歳以上にならないと受け取れないため、近いうちにまとまった出費をする予定があって貯金のような感覚で使うにはあまり向いていないかもしれません。

一応貸付制度という掛金の範囲内でお金を借りられるものもありますが、当然返済しなければならず、年0.9~1.5%の利子がつきます(貸付けの種類や見直しにによって変動)。

老後に向けて貯金するなら個人で銀行に預けるより、小規模企業共済を利用した方が全額が控除対象となるのでメリットとしては大きいです。

収入のほとんどを使ってしまう人が節税するために利用するというのは少し厳しいかもしれないですけど、老後のために月1万円くらいでも掛けておいて収入が上がったら掛金を増やすという使い方もできます。

受け取り方法は、「一括受け取り」、「分割受け取り」および「一括受け取りと分割受け取りの併用」の3種類から選べます。

注意したいのが受け取り時に所得税がかかるということ。一括の場合は退職金と同じように退職所得扱い、分割の場合は年金と同じ雑所得扱いとなります。

退職金には「退職所得控除額」が設定されています。

勤続(加入)年数(=A 退職所得控除額
20年以下 40万円×A
※80万円未満の場合は80万円
20年超  800万円+70万円×(A-20年)

例えば20年小規模企業共済に加入していた場合は次のようになります。

20年加入していた人の控除額:40万円×20年=800万円

これは単純なので簡単に計算できます。
ちょっと分かりにくいのが20年超の場合。800万円が前に書いてあるので混乱しますが、後ろから計算していけば簡単。40年加入していた人の例は次のような計算となります。

40年加入していた人の控除額:800万円+70万円×(40年-20年)=2200万円

20年以下の人と同じように40万円×年数で計算すると1600万円になるので長い期間加入していた方が控除額が大きくなる計算です。

若いうちは老後の資金のことをあまり考えないものだし、ある程度社会人としての経験を積んでからフリーランスになる人が多いことを考慮すると、実際の加入年数は20年以下になることが想定されます。

その場合は年間40万円までが控除額となるので掛金も40万円以内に抑えておいた方が将来受け取る時に課税されなくて済みます。月額にすると

40万円÷12ヶ月=3万3333.33.....円

となるので月額の掛金を3万3000円にするか、年払いで40万円にするのが税金対策という意味では最も効率のいい設定金額になります。

申し込み方法

申し込みはちょっと面倒です。資料請求フォームから必要な項目を入力して送信すると書類が届きます。

届いた書類に記入して個人事業主の場合は「確定申告書」か「開業届」を持って銀行の窓口に行き手続きしなればなりません。

この書類に記入するのが書き方が分からない部分もあって手間がかかるし、申し込む人が少ないのか銀行員もあまり慣れていない様子です。

あと忘れずにマイナンバーを持って行ってください。これを忘れると一旦取りに帰らなければいけなくなります。

今時オンラインで加入できるサービスが当たり前になってきているのにこんな昭和でアナログな方法でしか申し込みできないなんて、まるで加入してほしくないかのような印象すら受けてしまいます。

運用資金を集めるために加入者を増やしたいはずなのにこれでは逆効果。銀行との連携は中小機構側でやって申し込みはネットでできるように改善してほしいものです。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo)

掛金:月5000円~6.8万円(自営業者)※全額控除

概要

毎月(または年単位拠出と言われる年払い)積み立てていくという点では小規模企業共済と同じですが、運用商品を自分で選ぶというのがiDeCoの特徴となっています。

運用商品は「元本確保型商品」と「投資信託」の2つに分類され、下記のような違いがあります。

元本確保型商品:基本的に元本が保証される。あまり利率がよくないため資産を大きく増やすことが難しい。

投資信託:元本割れを起こす可能性があるが、大きく増やせる可能性もある。

iDeCoは運用商品を選ぶのに頭を悩ませるという難しさはあるものの、逆に言うと自分で選んでいるので勝手に運用されるよりはまだ納得できるという考え方もあります。

運用商品は最初に選んだらそうそう変更するものでもありませんし、少しくらいの変動で動揺せずに長い目でみることも必要。

金融機関ごとに運用商品、手数料などが異なっていて各コールセンターが用意されているので相談することもできます。

掛金

月々5000円以上、1000円単位で自営業者なら月額最高6.8万円まで設定することができます。掛金は年間1回だけ変更可能。

限度額を掛ければ、年額81.6万円にもなるため、かなりの節税効果が得られます。

平成30年1月より掛金を毎月払うだけでなく、年払いで一括で払うこともできるようになりました。

受け取り

iDeCoは60歳~70歳の間に一括で受け取る方法と年金として分割で受け取る方法があります。
※加入期間が10年以上でないと60歳で受け取ることができません。

運営管理機関によっては一部を一時金として受け取り、残りを分割で年金として受け取ることもできます。

受け取り時に退職金と同じように所得税がかかるのは小規模企業共済と同じ。両方加入している場合は4年以内に複数の退職金を貰った場合は合算して控除額を計算しなければいけないという決まりがあるので注意が必要です。

小規模企業共済は65歳にならないと受け取れないため、iDeCoを60歳で受け取っておいて5年後の65歳で小規模企業共済を受け取れば、せっかく貯めた老後の資金に課税されてしまうことを回避することができます。

5年以上経っていればiDeCoを60歳で受け取ったからと言って必ずしも小規模企業共済を65歳で受け取る必要はありません。

今後は労働人口が不足するため、60歳以降も働き続けることが考えられます。仕事を続けていて収入があれば65歳とは言わず、70歳でも75歳でも先送りすることで老後の資金をさらに上積みできます。

iDeCoは掛金を拠出する(積立する)年齢は60歳までとなっていますが、小規模企業共済は年齢に上限がないので働いていれば掛金を拠出し続けることも可能です。

20年以下の加入期間で将来、小規模企業共済とiDeCoをまとめて受け取りたいという人は先ほどの月額3万3000円という掛金をそれぞれに振り分けると年間控除額40万円以内に抑えることができます。

小規模企業共済:1万6000円
iDeCo:1万7000円

iDeCoは運用益が全額非課税となるのでもう少し比率を上げてもいいかもしれません。肝心なのは合計が年間40万円以内にしておくことです。

申し込み方法

iDeCoは取り扱っている金融機関にそれぞれ申し込むことになります。運用商品や手数料が異なるので比較検討した方が確実ではありますが、既に利用している証券会社などがあったらそこを利用した方が楽かもしれません。

楽天証券の場合はオンラインで申し込みが完了し、届いた書類に印鑑を押す程度で小規模企業共済のような手間はかかりませんでした。

iDeCo(イデコ)ナビ

まとめ

どちらに入ろうか悩んでいる場合は

小規模企業共済:リスクは少ないけど、利回りもあまり期待できないため、慎重派の人向き
iDeCo:リスクをとってでも大きく増やしたい人向け(運用商品によって調整可能)

というのが基本的な違いとなります。

・どちらも掛金の全額が控除対象となるため、実家住みのフリーランスにとっては家賃に変わる控除額としても活用できる
・受け取り時に退職所得扱いとなって所得税がかかる
・年間40万円までの退職所得控除額がある(加入期間が20年以下の場合)
・4年以内に複数の退職金を貰った場合は合算されてしまう

上記から加入期間が20年以下の人が受け取り時の節税を考えた最適な掛金はそれぞれ

小規模企業共済:月3万3000円(年40万円)
iDeCo:月3万3000円(年40万円)

となります。ただし、受け取る時期は5年以上空けてください。

4年以内に両方受け取る可能性がある場合は月額の合計が3万3000円になるように振り分けましょう。

もちろん収入が大きい人は上記にこだわらず限度額まで掛けて確定申告の控除額を大きくした方がお得かもしれません。受け取り時に退職所得控除額を超えた部分については金額に応じて税率5%~45%まで変動しますが、4000万円を超えなければ最高税率にはならないからです。

退職金と税|国税庁

どちらか一方に加入したり、比率を変える場合は下記の表を参考にしてください。

  小規模企業共済 iDeCo
掛金 月1000円~7万円
500円単位
月5000円~6.8万円(自営業者)
1000円単位
節税効果 全額所得控除 全額所得控除
加入年齢 上限なし 60歳未満
受け取り 共済金A:すべての事業を廃業、死亡
共済金B:65歳以上(15年以上)
※()内は加入期間
60歳(10年以上)
60歳(10年以上)
61歳(8年以上10年未満)
62歳(6年以上8年未満)
63歳(4年以上6年未満)
64歳(2年以上4年未満)
65歳(1月以上2年未満)
※()内は加入期間
運用 資産運用委員会
※外部の専門家で構成
運用商品を自分で選ぶ
利回り 予定利率1.0% 運用商品による
(2017年度平均3.25%※R&I調べ
メリット 貸付制度 運用益が全額非課税
デメリット 20年未満の任意解約で元本割れ 景気の低迷や運用商品によっては元本割れの可能性がある
手数料がかかる

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